入浴やカイロ、あったかグッズで温めても改善されない冷え性。気を付けているのによくならない、そんな悩みを抱えていませんか?産後は特に冷えやすく、妊娠前は冷え性でなかった人も、冷えを感じることがあります。
一時的に「体を温めること」と、「根本的に冷え性を改善すること」は、イコールではありません。
今すぐ、冷えから体を守るために冷え性対策グッズを揃えるのもいいですが、それと同時に冷え性を元から改善する方法を試してみてはどうでしょうか?
冷え性を根本的に改善する方法
冷え性を根本的に改善する方法とは、指先や足先の毛細血管にまで、全身のすみずみに十分な血液を送り込むことです。
毛細血管が細くなっていたり、毛細血管が消えてしまっては、全身のすみずみまで血液を送ることが難しくなります。また、血液がドロドロであっても血流は悪くなってしまいます。
例えば、太いホースにキレイな水を流すのと、細いホースに泥水を流すのとでは、流れに違いがでてきますよね。細いホースに泥水を流した場合、いずれは詰まりかねません。血液も同じことです。
冷え性を根本的に改善するには、毛細血管を広げることと、血液をサラサラにする必要があります。
使われない毛細血管は消えていく
毛細血管の太さは、髪の毛の太さの10分の1以下です。とっても細いことがお分かりいただけると思います。
また、血管は頭のてっぺんから足の先まで、すき間なくびっしりと張り巡らされていますが、すべての血管の長さを合わせると、10万キロメートルにもなります。例えるなら、地球を2周半できる長さ。
こんなにも細く、長い血管に血液は流れているわけですが、心臓から手や足の指先まで、血液が体中をひとめぐりするのにかかる循環時間は、およそ、たったの50秒で1周してしまいます。
ですが、血液は水のようにサラサラしているわけではなく、血漿(けっしょう)や赤血球、血小板などからできていて、さらに栄養素やイオン、老廃物などを運んでいるので、水と牛乳の感触を比べて分かるように、ややトロみがあるのが血液です。
ドロドロになった血液が細くなってしまった毛細血管を通ろうとすれば・・・血液はうまく通ることができず、熱を体のすみずみまで運ぶことができません。
こうして、血液が通れなくなった毛細血管は、徐々に壊死して消えていきます。この消えた毛細血管を「ゴースト血管」と呼ぶようです。
一般的に冷え性を引き起こす5つの原因
根本的に冷え性を改善するために、冷え性を引き起こす原因をご紹介していきます。これは自分に当てはまりそうだなと思う項目があれば、チェックしてくださいね!
冷え性の原因1:運動不足
寒いからといって、暖房のきいた部屋にこもっていませんか?運動不足になると、ゴースト血管をうむことにつながります。
冷え性の人には、よく5指ソックスがすすめられますよね。それは、なぜでしょう?
5本の足指がわかれていることで、血液がスムーズにいきわたるイメージをされている方が多いかもしれませんが、実は、それぞれの指が独立していて、動かしやすいところにポイントがあります。
運動をして筋肉を動かすことで、血流に勢いがつき、それが刺激となって毛細血管が広がり、さらに毛細血管が枝分かれして増えていきます。つまり、血流が増えます。
なので、足指を動かすことで足の甲の筋肉が刺激され、足先まで血流がよくなるということです。
外で体を動かすことが一番ですが、せめて足指だけでも動かすことができると、毛細血管を広げることができます。
足の血流を増やすには、足指でじゃんけんをすることが超おすすめ。グー、チョキ、パーと動かすだけで、体がぽかぽか温まりますよ。
手足を意識して動かしましょう。
冷え性の原因2:呼吸が浅くなっている
現代人は、肩に力が入って、呼吸が浅い人が多いそうです。呼吸は、かなり大きく体温の上昇に関与しています。
呼吸が浅くなると、体のすみずみまで酸素を送ることができなくなり、立派な冷え性の原因になります。
おすすめするのが「腹式呼吸」。腹式呼吸は、おもに横隔膜の上げ下げによって肺を伸縮させて呼吸をおこなうものです。
腹式呼吸によって体温が上昇する要素は2つ。
一つ目は、横隔膜をより一層下げることで、酸素と炭素の交換をより多くおこなうことができます。
二つ目は、腹式呼吸によって副交感神経が刺激を受けて、その結果リラックスすることができます。すると、血流が促進されます。
冷えを感じたときなど、気が付いたときに10回ほどおこなってみましょう。腹式呼吸を習慣化することができれば、どれほどの熱を生み出すことができるでしょうか。
冷え性の原因3:温めすぎている
電気毛布に電気カーペット、コタツにカイロ・・・常に体を温め続けていませんか?温め続けることによって、より冷えを招くことになります。
寒いと感じると、体は自然とブルブル震えますが、それと同時に熱を生み出しています。これが、本来ヒトが持っている熱を生み出す力です。
ですが、ずっと体を温め続けることによって、熱を生み出す機会がなくなり、熱を生み出せない体になってしまいます。
子どもの頃に、常に靴下を着用していたり、たくさん着込んで体を温めていた人や、常に温かい環境にしている人は、冷え性になりやすい傾向にあります。
寒いからといって、温めすぎないように気を付けましょう。
冷え性の原因4:姿勢が悪い
あなたは普段、座っている姿勢が多いですか?立ちっぱなしの姿勢が多いですか?
どちらにしても、姿勢が悪いと体がゆがみ、血流が悪くなります。
毛細血管は、髪の毛の10分の1以下の細さで、熱を運んでいます。例えば、毛細血管を細い細いホースとします。
もし、体のどこかでゆがみが起きていれば、ホースは押しつぶされ、ホースを流れている水は、そこで水量がいっきに減ってしまいます。
体がゆがんでいると、そこで血管が圧迫され、血流が悪くなります。
1日中座りっぱなしでパソコンに向かっている人、立ち仕事で数時間立ちっぱなしの人、同じ姿勢をとり続けることは姿勢が悪くなりがちで、体のゆがみを引き起こしやすいです。
1時間に1度は、体を伸ばしたり、肩を回したりして姿勢を意識しましょう(^^)
冷え性の原因5:ストレス
ストレスをためないようにと言っても、本当に難しいことですよね。適度なストレスは、人が向上心を持って健康に過ごすうえで必要ですが、ここでお伝えするストレスとは、過度なストレスのことです。
冷え性とストレスは、切っても切り離せない関係です。というのも、冷え性は自律神経に大きく影響されるからです。
過度のストレスによっておこる体への影響はたくさんありますが、そのなかでも自律神経を乱してしまうのが厄介。
自律神経が乱れると、内臓の機能がうまく働かなくなったり、ぐっすり眠れることができくなったりします。その結果、血流は悪化。血液もドロドロになりやすい。
ストレス発散の方法は、人それぞれ違うかもしれませんが、軽い運動はどんな人にもおすすめです。
というのも、ウォーキングなど軽く体を動かす運動は、ヒトをリラックスさせるホルモンを分泌し、ストレスを和らげます。また、体を動かすことによって、血流もよくなり一石二鳥!ストレスをためすぎないことは、健康な体づくりの基本です。
冷え性を起こす原因を5つに分けましたが、それぞれつながりがあると思います。少しずつ習慣を変えることで、冷え性を根本的に改善することはできるので、チャレンジしてみましょう。